この記事は『「Diff」 DevLOVE Advent Calendar 2015』の1日目の記事です。

2011年から始めたDevLOVEのAdvent Calendarも5年目です。なんだかんだで面白くて、5年ともAdvent Calendar言い出しっぺであり、みんなの執筆マネジメント(≒尻叩き)であり、初日執筆者です。

私は誰?

chachaki と申します。ギルドワークス株式会社という会社で、「エクスペリエンスアーキテクト」という肩書で、エンジニアをやってます。 UXリサーチもやってます。何でもやってます。デザインはやってないです。
今は宮城の実家からリモートワークしており、月2〜3回東京に言っているので、「お前は本当に宮城に行ったのか」「web上に生息している」と言われます。

DevLOVEの裏方の一人で、2010年から参加してます。今はDevLOVE仙台もやってます。

テーマについて

今年のテーマは「diff」。何もエンジニアがよく使うdiffツールの話ではなく、みなさんが現場のdiffを取る話です。現場のdiffとは、誰かと誰かのdiffというより、自分自身と誰かのdiffです。そのdiff=差分から、何かを学べるのだろうと思います。

私は「数えられない」をテーマに、書いてみたいと思います。
 

diffをとるために必要なこと

diffをとるということは、何かと何かの違いが分かるということが必要になります。

とあるキッカケで増田さんから紹介された認知言語学というものがあります。これまでの言語学では生来獲得するものとした言語知識について、人間の一般的な認知能力とっかかりとして捉え直す言語学の一派です。言葉の意味を静的なものではなくダイナミックな概念として捉え、言語の運用面から捉え直すことに特徴があります。




例えば、「肉眼」と「裸眼」は、意味としては近しいですが異なります。「飛行機を裸眼で確認」はしないし、「視力検査で肉眼視力」は計測しません。こういった人間の一般的な認知能力を使った「同じ」「違う」といった感覚を出発点とした言語学が認知言語学だと考えています。

ここでは話のきっかけとして「言葉」を起点としましたが、大事なのは「同じ」「違う」という感覚、その人間の認知能力なのでしょう。それが言葉であれ、色であれ、形であれ、数字であれ、それが同じなのか違うのかを認知するのは、人間の能力です。

diffを取るということは、この人間っぽさ満載の能力をフル活用することに他なりません。

diffをとってから必要なこと

何かと何かの違いが分かった後、 それを自分の次の行動に活かすこと。これが現場のdiffを取ることの意味ではない考えます。ともすると、誰かと誰かのdiffをとっただけになりがちですが、それなら機械でもできるんですよね。その次の行動にどう活かすがが重要だと考えます。


数えれられることすべてが大事なわけではないし、大事なことすべてが数えられるわけではない

これはアインシュタインが言ったわけではなく社会学者の方が言った言葉のようですが、 この言葉はとても味わい深いです。
もちろん、数えられることで大事なことはあります。ただ、大事なことがすべて数えられると考えると見誤ると考えています。
数えること、それよりも、その1つ1つの要素が「同じ」なのか「違う」のか、それを感じる認知能力を高めた方が、より面白いことができるんじゃないかと考えています。 


 

私の現場のdiff

私は今、リモートワークが主体の現場です。github、skype、slack、pivotal trackerなどなど、様々なツールを使いながら、チームとやりとりをしています。今年は、様々な所で「リモートワークって実際どうなんですか?」と聞かれた年でした。
開発につきものの認識の違いは、より事前に、より注意深く、追っていく必要があります。チームメンバーをより信頼する必要があります。プロセスをより言葉にして、みんなで共有する必要があります。


まとめ

  • 「同じ」「違う」という認知能力を大事にし、自分の行動に活かそう
  • 違いを感じる能力がないと量的データを追っても面白く無い
  • リモートワークの現場はより違いを感じる能力が大事になる

Advent Calendar、次はDevLOVE Founderの papanda さんです。