この記事は「UXとかHCDとかその辺りの何かをひとりで黙々とまとめる Advent Calendar 2013」の2日目の記事です。1日目は「UXとかデザインプロセスとかに興味を持ったら読む10冊の本(前半戦)」でした。

前半戦はどちらかと言うと考え方やプロセスについての本を多く上げました。この辺りの概念的な話、俯瞰的な話は嫌われてしまう傾向が大きいと思っています。まぁ実際いくらよい考え方でも作れなければ…ですからね。ということで本当はデザイン実装の話を挙げたいのですが、私はエンジニアなので(逃げ向上)、アイデア発想や場づくりについて面白かった本を挙げたいと思います。
 



6冊目は「ノンデザイナーズ・デザインブック」です。デザインはセンスといった話をいい感じにぶち壊してくれる本です。ビジュアルデザインの手前にある考え方についてキッチリ書いてある本で、本を買うまででもないと思った人はこちらのまえださんのスライドを読むといい気がします。
デザインで近づけたり遠ざけたり、大きくしたり色を変えるのには必ず「理由」があります。その理由を考えること、できあがったものがちゃんとその通りに受け入れられるかは、前半の5冊で掴めてくると思うのですが、実際に作ることろに関しては、こういったデザイン原則に関する本が手元にあると心が落ち着きます。





7冊目は「アイデア・スイッチ」です。これは私が尊敬する石井力重さんの本ですが、石井さんがすごいのはアイデア発想を支援するビジネスを展開しながら、そのツールを創っていること、そしてそのツールをオープンにしているところです。最近はアイデアソンやハッカソンなど、アイデアをオープンにする活動が盛んになってきていますが、それが盛んになる以前から行なっていることがすごいと感じています。石井さんのブログの311specialにはその技法の多くが公開されています。
で、何故その石井さんの本を出したかというと、結局プロセスだけではものがつくれないので、どこかで発想を刺激することが必要になります。そこにはメソドロジーがない、とよく言われているのですが、「創造工学」というところで、創造という領域に対して工学的なアプローチをとっていて、その分野でずば抜けているのが石井さんだと感じていて、というわけで紹介したものです。




8冊目は「フューチャーセンターをつくろう」です。フューチャーセンターというのは知らない人も多いように思いますが、元々はヨーロッパで対話をする場としての「施設」を指した言葉でしたが、近年それが拡張され、人として集まる「場」の概念として拡張しています。大きくは「対話(ダイアログ)」と「未来思考(シナリオプランニング)」と「デザイン思考(特にプロトタイピング)」の3つを合わせて場を創り上げていきます。
社会的な課題をみつけ、その中でデザインしていく、といった志向の人には刺さる概念だと思っています。というわけでその概略を知る本としては、とてもよい内容だと思っていて、挙げてみました。


ワークショップデザイン論―創ることで学ぶ
山内 祐平
慶應義塾大学出版会
2013-06-07


9冊目は「ワークショップデザイン論」です。デザインを学ぼうとすると、どうしても一人で独学でというのが難しくなってきます。その時に最近多いのが「ワークショップ」です。ワークショップとはなにかみたいな話はありますが、体験的に学ぶ方法の一つとして注目されていることがあるかと思います。そのワークショップをデザインする、といった場合に有用な書籍だと考えています。ワークショップを創る人へのまなざしが優しい本です。




10冊目は「ゲームストーミング」です。この辺はワークショップだったり、他者とのコミュニケーションをデザインの対象とした時に、使えそうな手法・技法についてまとまっています。考えを拡げたり、纏めたり、アイスブレイクして話しやすくしたり。いわゆるデキる人はこういったことを無意識にできるように思うのですが、the 凡人なのでこういった手法・技法によって学ぶしかないんだよなーと思ったりして読みました。といっても、カードソートといったよく使ってるものもあるので、大げさに構えず、困ったら読むぐらいでもいいような気がしています。


以上、前半戦と合わせて10冊をご紹介しました。ものすごいフワッとしているところを選んでしまった気がしますが、こういったところを知っておくと共創とかに役立つのかなぁと思っています。ではでは。

次の記事はスライド紹介です。