2012年のHCDnetフォーラムに参加してきました。
●告知サイト
http://www.hcdnet.org/event/2012hcd-net1.php
●つぶやきまとめ
基調講演など
パラレルセッションA
基調講演に参加後、パラレルセッションAに参加しました。
(その後、別イベントに参加したので懇親会は参加しておりません。)
パターンランゲージを体験を共有する鍵として使う
基調講演は慶応SFCの井庭さんでした。これまでのパターンランゲージとこれからのパターンランゲージといった内容で、プチワークショップもあり、非常に充実した内容でした。
私は某開発者コミュニティつながりで学習パターンをどうITに応用するか、といったことを地道に話し合うプチ研究会?に参加していますが、パターンをそれぞれの体験を語り合うタネとして使うのは、とても効果的だと感じています。
この1年で「モノ」のデザインから「コト」のデザインへ、といったことを言葉では学んできたわけですが、実際にじゃぁどうやるのよ、といったところに、井庭さんの話すパターンランゲージは活きてきそうだなぁという感触を得ました。(「井庭さんの」とつけたのは、まちづくり系というかアジャイルからの流れとは少し違ったものを感じていて、そちらについてはあまり手を出してない状況なので、異なるものかな、という認識で書きました。)
一部の人・専門家が分かっていてもダメで、それに関わる人がみんな分かるために、といったところに踏み込んでいて、プレゼンテーションパターンに続いて現在作成中というコラボレーションパターンにも期待が高まりました。おそらく11月のORFでの完成版配布を目標にしているのかな…と。
このパターンランゲージ、以前にもUXD initiativeで伺ったのですが(つぶやきまとめ)、とてつもなく多大なコストがかかっています。とことんブレストして、KJ法をして、何度もことばをレビューして…ということの繰り返しをしていました。その魂みたいなものが宿っているを感じて、とてもアツいなぁと感じました。
HCD人材育成という時のHCDって何ですか
パラレルセッションでは認定者ではないのですが認定者の集いを兼ねたセッションA「働きながら学ぶ~HCDにおける人材育成」に参加しました。メーカ内からの教育、外部(大学側)からの教育、web系および社外での教育という3つの立場でのお話を聞くセッションでした。
自分はhcdvalueというコミュニティのメンバーで、社外コミュニティ側からの視点からの参加となったのですが、人材育成という意味で考えた
時のHCDに違和感を覚えてしまいました。
例えば紹介されていたシャープさんの社内レベルアップ制度で初級・中級・上級ととったら、それはHCDとしてのゴールなのでしょうか。社外コンサルとしてIT技術者への教育をした際に、即時性があり、満足度が高いものができれば、それはHCDとしてのゴールなのでしょうか。社外コミュニティでワイワイみんなで学んでいれば、それがHCDとしてのゴールなのでしょうか。
せっかく土曜の一日を使って色々な視点を持ったHCD専門家、興味を持った人が集まっているのに、混じり合わないというか、おそらく一番多かったであろうメーカーサイドの意見交換が多かったのが気になりました。
私は別に社外コミュニティに正解があるとは思っていません。それはそれで弱い部分は多いです。でも、メーカー側で取り入れられるプラクティスはあるはずです。もちろん、メーカー内部で発展させたプラクティスを聞けば、とても勉強になります。そういった情報の流通というか、ノウハウの共有があればもっといいセミナーになるのになぁと感じました。うーん、懇親会でなかったからかな…
もう一点、せっかく基調講演でコラボレーションといった割と新しめの話が出てきたのに、この人材育成のセッションに関しては、「教える人ー教えられる人」「自ら学ぼうとする人ー自ら学ばない人」といった固定化が起きていた気がしました。
その対立軸から、何が産まれるんでしょうか。何か生み出せるんでしょうか。二項対立ってとっても気持よくて、自分が先に進んでる感じを受けてしまうけど、それって本当に意味があるんでしょうか。
もっと、「We」な話が聞きたかった。ワタシがオレがこうやったから、そういった話ではなくて、もっと巻き込む、そんな熱を感じたかった。ワガママですけど。
最後に、途中出てきた問題に対しては「周囲の温度が上がるまで待つには、人生は短すぎる」という言葉を僕はコミュニティで得た気がします。熱を持ってる人が突き進むしかない、という意味では羽山さんの「背中を見せる」はとても有効だなぁと思います。
人生たかだか300人月。
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