第9回情報デザインフォーラムに参加しました。

当日の実況ツイートは以下にまとめました。(長いかな、と思い2つに分割しました)

【第一部:大学でのワークショップ】

【第二部:企業でのワークショップ】

テーマは「情報デザインのワークショップ 」ということでした。ワークショップで色々学んできて、これから自分でワークショップをデザインしようとしている身としては参加せざるを得ないと思い、(GWど真ん中にも関わらず)参加しました。


山崎和彦先生:「情報デザインのワークショップ・プロジェクトと体験ワークショップ事例」

山崎研究室のワークショップ・勉強会には何度かお邪魔しており、ストーリーテリングのWSビジネスモデルとエクスペリエンスデザインのWSに参加させていただきました。私が参加したもの以外にも、学生対象のもの、連携している企業を巻き込んだものなどが多数紹介されており、そのネタも上記以外にパターンランゲージ、KA法などなど、アグレッシブに色んなものを取り込む山崎先生のモチベーションはすごいな…と感じました。

発表の内容は「ワークショップ百連発」あるいは「ワークショップ百本組み手」といったものと感覚的に近く、こんなワークショップやりたいと山崎先生に相談したらそれもうやってるよ!と言われそうだなーと当日考えてました。(集中しろ)裏を返せば、一番最初の馬力の必要なところを山崎先生はガンガンやられているので、その後の地ならしみたいなところをちゃんとやらないとな、と考えました。


原田泰先生:「インフォグラフィックスを通して学ぶコンテンツ・デザイン」

初めて講演・講義をお聞きしたのですが、柔らかい言葉の中でデザインに対する情熱や、デザイン教育に関する割り切りとか、デザイナーとしての心構えといったものを感じ、すごい人だなぁと感じました。(パネルディスカッションでご挨拶すればよかった…

観察→解体→再構成→表現→魅せる・反応」がワンサイクル、という話が冒頭と結論でありましたが、やっぱりこのワンサイクルを体験しないといけないんだな、と感じました。どうしても「表現」だけになりがちじゃないですか…私はプログラマですけどw

うごくおもちゃ」という授業の内容を紹介いただきましたが、サイトを見てると飽きないんですよね。一日潰してしまいそうなので見るのやめましたが、ちゃんとデザインプロセスを回しているものって、単純にハマってしまうし、アウトプットがすべてという言葉通り、それは成果物にも表れるんだろうなーと思います。


上平崇仁先生:「デザインワークショップの故きを温ねて新しきを知る試み」

直前でタイトルをニコ動風に変えていらっしゃってましたが、メモれずw でも個人的にはどストライクなネタでした。いわゆる温故知新なわけですが、そういうことを今年は特に意識したいと考えているので、どうアレンジするかといったアプローチのWSというのはとても面白かったです。

「今」だけを捉えようとすると上っ面だけになりがちですし、歴史あるけどちょっと忘れられているような絶妙なラインを探るというアプローチは結構いいですねー、別のネタでやってみたいです。(個人的にはそのキッカケはinfographics workshop 静岡だったのですが、温故したいです、温故。

上平先生は、はやくタイプフォント神経衰弱をcampfireに出品してくださいw


安藤昌也先生「写真を使った価値マップによるサービスアイディア発想WS」

前日飲んでしまい資料を準備せず、直前に原田先生からそそのかされてパワーポイントなしのライブで白板に書いた安藤先生は失敗したーと言ってたそうですがw、そんなこともなく内容はとても面白かったです。

「サービスデザインの進展」と「AT-ONE」からWSにおけるキーワード設定の重要性という内容だったと認識しています。AT-ONEの考え方も面白いなーと思ったのですが、結局のところビジネスモデルキャンバスで(頑張れば)同様の効果が得られそうな気がしたので、半年後にAT-ONEを見返そうと思います。重要なのは「Offering」ということでした。


木村博之さん:「インフォグラフィックスは自分で考え行動させるためのキッカケデザイン」

木村さんのお話を聞くのは2回目で、前述のinfographics workshop 静岡の時と今回でした。1回目震災後の変化をキチンと言葉にされているのがとても印象的でした。

木村さんはインフォグラフィックス作成手順を木の成長のように捉えていらっしゃるようで、そのインフォグラフィックスを用いて説明されており、丁寧に育てているんだと感じました。ワークショップ自体は大学でのワークショップ寄りでしたが、「自分で気づかないといけない」という言葉がずっしりと感じられました。


小路晃嗣さん:「組織におけるワークショップの目的とその運営のためのポイント」

企業内でのワークショップ運営という意味で、とてもタメになるお話でした。途中でさらりと紹介されたマニュアルがすごかったですね。属人性をできるだけ排除する(最後には結局残る)という部分、企業としては利益をあげないといけないという部分はとても重要で色々と思うことがありました…

自分はサードプレイス的な場所でのワークショップが主で、企業内での実践は諦めてしまったくちなので、やっぱりこのくらいの厳しさをもって臨むのがいいのか…などなど。


脇阪善則さん:「UX TOKYOとワークショップ - サード・プレイスとしての機能と役割」

来週のDevLOVEストーリーテリングWSでもお世話になる脇阪さんのお話。去年発売されたストーリーテリング本を元に、「知のプラットフォーム」形成を目的としてWSを開催されています。

ストーリーの要素の簡単な説明と、WSの洗練の仕方を主に話されていました。回を追うごとにどんどん内容が高度化していくというのは、とてもいいなーと思いました。


浅野智先生:「企業にHCDを根付かせるワークショップとその開発」

各企業・各地域にHCDを根付かせるためのWSを開催されている浅野先生ですが、簡単なHCDの説明の後、企業導入時の積み重ねてきたノウハウを公開といった内容でした。必ず全7回をお願いしているということでしたが、内容を聞くと納得でした。(あとでweb系な方に聞いたら、やっぱり全7回はハードルが高いみたいですね。

最後の「・全ての企業がHCDプロセスに取り組むようになったわけではない。・社内に強力な推進者がいると定着する。・トップダウンで実施すると定着しない。・参加した学生は皆ブレイクスルーした。」というのは真理だなぁと思います。結局のところモチベーションという話ではあるのですが。。。


ポスター発表

(あとで書くかもしれない)


まとめ

これから執筆・刊行予定の「情報デザインのワークショップ」がとても楽しみになりました。なんだかんだでワークショップはそれぞれが独自の色を持っていて、それが一覧できるだけでも価値があると感じました。

「モチベーション」というか、個人の意志の重要性みたいなことも通奏低音であったと思います。参加者が一歩前に踏み出す感じがあるWSは、成果物や途中の写真でも伝わってきますね。WSがどのような効果を産むか、それは持続できるのかといったところは、参加者や企画者のモチベーションありきなのかなーと帰り道にぼんやり考えていました。

蛇足

これは完全に蛇足ですが、結局「人の相性」みたいな話に収束するのかな、ということを某人と話していました。安藤先生のサービスデザインの変遷の中で出てきた「Co-Creation」なのですが、共に作るという話になると、誰と作るのかが重要に

なりそうですよね。じゃぁ誰と組むよ、といったことが引っかかっています。それはある人は気心が知れたお客さんだったり、長年取引していたお客さんだったり、パートナーだったり、あるいはサードプレイス的なコミュニティの人かもしれない。でもそれって、結局人と人の相性なんじゃないのか、もっと言えば好き嫌いのレベルなのかな、ということがモヤモヤし始めました。

ま、すぐに結論を出すようなものでもないので、ゆるゆると考えて行きたいと思います。


講演していただいた方々、スタッフの皆様、ありがとうございました!!!