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ひょんなことから、専修大の「プロジェクト2011」の発表会に行ってきました。これは、専修大のネットワーク情報学部3年生の必修科目「プロジェクト」の成果発表だそうです。詳しくはWebで。

前日、某DevLOVEのイベントでヘロヘロになってしまい、ニチアサ(アニメ)は見てたもののtwitter実況せず、終わった直後に二度寝をキメるなどの体たらくで、何とか午後14時にたどり着いてから2時間ぐらいで見れた範囲で感想などを述べたいと思います。


9.訪日外国人のためのモバイル・サービスのデザイン

このプロジェクトの担当教員が上平先生で、私が履修した産技大「人間中心デザイン」の講師をなさっていた関係で色々お世話になり、今回の見学のキッカケとなりました。

訪日外国人向けということで2つのプロジェクト成果発表があり、短期滞在者向けの「JPOM」、中期滞在者向けの「ちえ団子」がありました。

ここのプロジェクトは、UCD(ユーザー中心デザイン)のプロセスで進めており、私が学んでいたHCD(人間中心デザイン)の手法を使い、調査・分析を進め、ユーザーテストを実施していました。あーいいなー、というのは社会人になるとこのフルセットを体験する機会がなかなかないからです。ひと通り経験する、というのはとても重要だと思います。

他のブースを回ってみても、「実装に精一杯で完成がギリギリに…」というところが多く、ユーザテストまでできた、というのはとてもよかったと思います。実際のユーザーの意見はとても貴重ですから。

上平先生は、調査フェーズのまとめの時間があまりとれていなかったと不満そうでしたが(笑)、とてもよくまとまっているなーと感じました。特に「短期滞在者は3G回線・WiFiを利用しない」という事実は、おそらくプロジェクトメンバーは衝撃だったでしょうが、ちゃんと調査している証拠ですし、アプリが単機能1本勝負だったのも、とてもよかったと思います。(詰め込み過ぎになる場合が多いので。)

「JPOM」は、旅の写真をモバイル端末内に溜めておき、お土産話のネタとしてアプリを使ってもらうという写真アルバム閲覧用アプリでした。

「ちえ団子」は、中期滞在者向けのアプリで、いわゆるQAサイトに近い形で、あるカテゴリ(例えばSeason)を中心として、それに対する質問が団子のように繋がっていくアプリでした。


10.meglue~旅の経験と記録をリアルタイムで共有し、思い出を形にするサービスの提案~

栗芝先生が担当のプロジェクトで、上平先生にご紹介いただいたので見てきました。「旅行の思い出」サービスというのは、よくワークショップのネタになったりしますが、旅行という誰にでもある感じとコンテキストの複雑性みたいなのがいいのかなーと思いました。

iPhoneアプリで、「twitterでログイン」「旅行メンバーの追加」「旅の日程入力」「みんなで旅行中に写真を撮ってアップロード」「旅を終了する」、後日PCなどのブラウザで「twitterでログイン」「旅行の写真を閲覧」といった流れのものでした。

プレゼンが作りこんであるなー、PCブラウザ版の閲覧のインタラクションが凝ってるなーと思ったのと同時に、ところどころ文字が小さい箇所があったり、意図が不明なサムネイル(メンバーのtwitterアイコン一覧だったようです)があって、1回でもユーザーテストしたらもっと良かったんじゃないかな、と思ったりもしました。でも、全体の完成度はとても高かったです。(他のプロジェクトと比較しても群を抜いてました


23.TalkLIVErary ~情報の相互発信によって人と人をつなぐ図書館をデザインしよう~

望月先生が担当のプロジェクトで、図書館や「ラーニングコモンズ」に個人的に興味があったので見に行きました。

大学での交流方法として、twitterは全員やってないし(ネットワーク情報学部生はほとんどやってるらしいけど、他学部はやってないらしいです)、サイエンスカフェだと講義という空気になってしまうため、交流の場を作るという意味で、図書館を利用しようというプロジェクトでした。デジタルサイネージ+ワークショップという感じです。アテンションとしてデジタルサイネージを用意して、図書館員が更新する情報を学内の目立つところに設置したり、空き時間によるワークショップを開催してその反応をみたり、ちゃんと作りこんでるなーという印象でした。

あぁーラーニングコモンズ何かやりたいなーウズウズ(個人の感想であり、効果には個人差があります。


26.ぶくりんく~電子書籍をリンクしてオリジナル本を作るアプリ~

吉田先生が担当のプロジェクトで、ePUBな電子書籍アプリで色々やるアプリでした。

説明をパッと聞いた感じで、あー多機能過ぎるなーと感じました。「2つの電書をリンクする」「リンクした電書を自動or手動で区切る」「オリジナルの書籍をつくる」「ノート(メモ)をとる」という4機能だったと思いますが、今どの機能の説明なのか途中で見失いかけたのと、PCブラウザベースのアプリで、UIが作った人にしか分からなそうな感じだったのが気になりました。目的ではタブレット端末をターゲットにしているのに、リッチなPCアプリで最初に実装してしまったら、タブレット端末でどうなるのか、ちょっと不安に感じました。電子書籍を2つ並べて表示する部分で、既に破綻しないかな…大丈夫かな…

あと、やっぱり電書関連は権利関係だったり、サービスで分断されてたり、一口に電子書籍といっても色々な形式があったりするのが問題なのかな、と感じました。


2.Co_Labox~プロジェクト間交流による組織活性化ツールの提案~

飯塚先生のプロジェクトで、個人的にこれは未来がありそうだなーと感じたプロジェクトでした。webサービスで、プロジェクト間の交流を促したりする形です。

まず、この学生の「プロジェクト」自体も閉鎖的で、中間発表と最終発表の2回しか発表がない、というのに驚きでした。月一くらいで発表があってもいい感じがしましたw で、例えばユーザビリティテスト、ユーザーテストなんかを募集したり、他のプロジェクトを見学したい!といったものを管理するwebアプリでした。機能は掲示板とカレンダーがメインでした。

会社だと、yammerがやってる部分ですよね、多分。他部署交流とか、組織内の情報共有なんかは、永遠のテーマっぽいところがあるので、これがもっと広がればいいなーと感じました。


1.日本の玩具を再考する~古いおもちゃの魅力を現代の子供たちにも伝えよう~

飯田先生のプロジェクトで、古いおもちゃを色々試しつつ、その魅力は何なのかをブレストした結果、流行る玩具(ずっと残っている玩具)には「コレクション」「カスタマイズ」「対戦」という3つの要素があることを見出し、それを応用して「おはじき」の再発明(ブラッシュアップ)をしたものでした。これは一種のパタンランゲージですよね。

最終成果物がアプリに逃げなかったのもよかったし、色々試す中で、おもちゃパターンともいうべきものを見出していたのがすごく面白かったです。ビビッときました。このプロジェクトをやった人の中から、バンダイやタミヤに行けばいいのにと純粋に思いつつ、GR◯EやD◯NAに行っちゃうんでしょうね、そうなんでしょうねw

最近のサービスデザインをやってる人を見ると、ハマる要素というか、ついやってしまう、愛着が湧く、といった要素が大事になるんだろうなーとぼんやり思っています。そういう意味で、おもちゃの三本柱は納得できるし、こういう一種のパターンのようなものを見出すことが、情報デザインの効果としてあるんだろうなーと思いました。


5.Uni Time~誰でも使えるシンプルな時間割~

伊東先生のプロジェクトで、ユーザビリティを意識した、時間割のiPhoneアプリの発表でした。

割とすぐ、サーバにつないで…とかなりそうなところをグッと我慢して、ローカルだけでやろうとしたところは好印象でした。しかし、時間割を全部手入力するのは4月に面倒だし、などなど、閲覧のタスクや1項目の入力タスク以外がまだ詰められてないかなーと思いました。聞いたところ、ユーザーテストは行ってないとのことなので、開発者の自己満足にならないよう、行なったほうがいいなーと思いました。


17.子育てを支援する環境モデルの研究~子育てにやさしいまちプロジェクト~

砂原先生のプロジェクトで、子育て中の女性を対象とした、住みやすいまちを作るための情報整理のプロジェクトでした。

私が聞いたのは「駅」のプロジェクトで、子育てをしていてもアクティブに動いて欲しい、という想いから始まったプロジェクトということでした。こういうのいいですね。インタビューをした結果、エレベータが遠い、周りに気を遣うなどの問題点があったそうで、それを解決するように、エレベーターの案内を作成したり、駅周辺で子ども連れでも楽しめるスポット情報を提供したりしたそうです。自分も一時期子育てをした身として、あの駅の使いづらさは異常だと思っているので、こういう活動は広がるべきかなーと思いました。

調査がインタビューだと不満とかに偏る気がしたので、観察とかを絡めるともっとよくなるなーと思いました。例えば、エレベーターが遠すぎてエスカレーターにガッとベビーカーを乗せてる人、結構いますよね。そーゆーのも見ると、とても説得力が増すなぁと思いました。


全体的に

すごく行ってよかったなー!と思える発表会でした。

コメントとしては、既存サービスの調査がもっとあるといいな、と思いました。それ、yammerでできるよ!とか、Flickr、picasaで(ry、iBooksで(ry、みたいなのはよくある話で、それとどう違うのかが視えると、グッとプレゼンの質が増すなぁと思いました。

あと、調査の重要性というか、プレゼンにはたった1行なんですが、それを言うための調査のフェーズの重要性があるなーと思いました。上平先生のとこの「短期滞在者は回線契約しない」とか他のところの「おもちゃの三本柱」とか、とても説得力のある言葉の裏には、裏付けのための調査があるなーと感じました。いくらプレゼンで耳に心地よい言葉を使っても駄目ですね、はい。

HangarFlightのワーたんの発表にも通じますが、まず「外化」することの重要性ですね。いくらコンセプトを立てても、実装の過程でユーザーに伝わらなかったり、ぼやけてしまったりすることがとても多いし、そもそも出さなければクオリティは生まれないので、評価してもらうことすらできません。プロトタイプでもいいから、まず出してみることが重要なんだなーと感じました。と、自分のヒューマンインタフェース学会での発表でいただいた意見を反芻してました。

これは私がよくコミュニティ(IT勉強会コミュニティ)に参加しているからだけど、もっともっと外に出てもいいかなーと思いました。学生が自分達だけで考えるのも限界があるので、もっといろんな人に聞いたり見せたりしてもらったほうがいいんじゃないか、と思いました。

はー、俺も何か作ろう。

ヒューマンインタフェースシンポジウム2011が仙台で開催される、とのことでポスター発表をしてきました。

発表以外に、以下の発表を伺ってきました。

  • 取扱説明書デザインにおけるHCDプロセスの適用
  • 加齢特性を考慮したPC利用スキルの評価に対する指標の検討
  • デジタルネイティブ世代の生活価値観とソーシャルメディア
  • 操作性統一のためのHI設計支援手法-ヘルスケア領域の画面パターンの構築-
  • 人間中心設計プロセス支援環境の提案
  • システム開発におけるユーザ経験向上のためのHI流通基盤 ~企画提案段階への適用
  • 大規模WebサイトにおけるUI管理手法の提案
  • RIAにおける申込フォームのUI検討と考察
  • 電子マニュアルにおける提示方法の違いによる機器操作の影響とその改善策
  • 場所の価値発見システムの構築に向けて
  • 運転訓練シナリオの難易度評価インタフェースの開発
  • 住民の防災意識に依存しない避難場所情報の提供に関する一提案
  • 共有知を利用した発想教育支援システムの開発
  • 博物館における学び促進のための仕掛けと評価
  • 実効的利用状況の記述方法についての一考察
  • 文化性と地域性を考慮した人間中心設計のアプローチに向けて

個人的なベストは、「実効的利用状況の記述方法についての一考察」でしょうか。メーカー企業内部でHCDプロセスをどうカスタマイズしていくかに苦心されている様子が、生々しく語られていました。

あとは「運転訓練シナリオの難易度評価インタフェースの開発」の『認知工学的複雑度(DIUR)』(たぶん、ここ)という整理の仕方が面白かったです。原発運転員がパネルを見た時の主観的な見方を客観的に把握するための指標、とかUXの評価がうんぬんという話と繋がりそうだなぁと思いました。

というわけで、1000ページある本を買ってしまいました。

ちょっとずつでいいので、毎日読んで消化していきたいなぁと考えてます。

買ったきっかけとしては、自分のプログラミングに対する知識の浅さが気になったことでしょうか。仕事でも、趣味でも、何か深い知識をつけたいと思い、本書を購入しました。

twitterでちょこちょこつぶやきつつ、上記の本を読んでいる。

web上の記事など

Geekなぺーじのあきみちさん

著者の一人の折田さん1

著者の一人の折田さん2

twitterでの私のつぶやき

http://togetter.com/li/169347

雑感

最近の個人的な関心領域である「人間中心設計(HCD)」では、様々な議論はあるけれど、基本的に人間の内面を捉えてシステムを設計する一手法だと考えている。ベースにあるのは、認知心理学・人間工学・ユーザー参加型デザインといったものだと思っている。

人間の内面を捉える、というのはかなり難しくて、特に最近の「ソーシャル」といった流れで必ず出てくる「コミュニケーション」というものは、とてもやっかいだ。でも、考えるは苦しくて楽しい。

そんなわけで、人と人の関わり合いの中で生まれる心理、社会心理学みたいなものに興味をもち、本書を手にとった。

インターネット、というものに割とどっぷり浸かってきた自分は、客観的にインターネットというものを見れるのだろうか。割と、その可能性を信じて使ってきた。これからは、webサービスの一つも持たないと、エンジニアではないのかもしれないなぁ、と漠然と思う。これだけwebサービスが乱立する中で、ユーザーの心を捉えるサービスって何だろう、など考えている。

インターネット上でのコミュニケーションは、対面でのコミュニケーションとは異なる。だけど、何が違うかがはっきり分からない。本書の第7章から、その一つが匿名性にあると感じた。

これからwebサービスを運営したりする場合、きっと会員登録して、ログインして利用することが増えるんだろう。それは、twitterでログインするかもしれないし、facebookでログインするかもしれない。そんな中で、エンジニアは匿名性は意識しなくていいのだろうか。デザイナーは、意識しなくていいんだろうか。まだ読んでる途中だが、そんなことを考えながら読んでいる。

裏方として参加している、DevLOVEという開発者コミュニティのイベント「HangarTalks」で、お話してきました。

●DevLOVE HangarTalks ~空を飛ぶのに、翼の1本や2本折れたところで。~

http://kokucheese.com/event/index/10836/

●発表資料

「見えないコトを見ること。一人じゃ見えないモノ。」


御礼

自分の体験を基に他人に話す、というのはなかなか難しいですね。普段は聴く側でいたので、他人に話す、ということは非常に貴重な体験になりました。セッティングや司会、会場提供していただいた方々、本当にありがとうございました。

人とのつながり

学び、デザイン、コミュニティという中で、「つながり」について考えていたことをお話しました。もちろん、独習は必要です。独習した成果を、シェアしたり、発表していくことで学ぶものがあって、相手にも刺激になる。そんな好循環が各所に産まれるといいなぁ、と思っています。

昔あったもの

地元に帰ると、伝聞の早さを体感します。何丁目の何々さんが、こんなことをした、というのがシェアされています。それは地域のコミュニティの中に地域の人がいるからで、コミュニティの力というのは、昔からあったんだろうなぁ、とかぼんやり考えるのが好きです。

ITができること

そこ(コミュニティ)に対して、ITは何ができるんだろうなぁ、と思います。ITがもつ拡散力とか、でも対面で会う時に比べて貧弱なメッセージのバランスを考えて、僕らソフトウェア開発者は何ができるんだろうと。

昔は、コミュニティに住む人と共に情報が地域に縛られていて、趣味でつながるなんてことはなかったなぁと考えています。今は、例えば「メガネ女子が好きだ」という情報は、理論上全世界に発信できて、俺も俺も!気色悪い!といった形でつながることもできますね。もちろん、メガネ女子が好きだ、という概念自体も、地域のコミュニティの外のどこかからもってきたものだったりします。

情報と身体性

情報から身体性、といったものを切り離した時に何ができるか、といったものが、これまでのインターネットだった気がします。今は潮目が変わって、やっぱり実際に会うことの価値とか、痛みを伴うような、そんな身体性の重要性に戻ってきている気がします。

便利・簡単以外に、何か面白いことできないかなー、というのがあって、その探す過程が学びだったり、作る過程がデザインだったり、存在するのがコミュニティなんじゃないかなぁ、とかぼんやり思っています。

まとめ

えーっと、何の話でしたっけ。あ、HangarTalksの話でした。ご参加いただいた方々、ありがとうございました。


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