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自分でも何でこんなにモヤモヤしてるか分かってないのですが、最近の流れがどうにもうまく消化できず、とりあえず言葉にしてみたいと思います。

要旨としては以下を考えています。

  • 「チーム」としての働きを考えよう
  • 身の丈に合ったサイズ・コスト・スピードを考えよう

UXなどの言葉の話

UX/UXD/UCD/HCD/おもてなし…などなど、ユーザー体験周りの言葉が少しずつ分断されていってるのも混乱の一因だと思うのです。私は単なるプログラマなのですが、2010年度に産業技術大学院大学の履修証明プログラム「人間中心デザイン」を受講して、その履修修了生を中心に「現場で使えるHCD」をコンセプトとしたhcdvalueというコミュニティを立ち上げている関係上、ざっくり考えてみました。

ちなみに、hcdvalue有志で翻訳したUX白書は一般公開されているので読んでもらえるといいかもしれません。(原文サマリー資料)


UX

ユーザー体験(経験)。人によってかなり意味がブレます。基本は「(あるシステムにユーザーが出会って)得られる体験」で、ユーザーの内面・心の動きを指している、と考えています。(UX白書でいう「現象としてのUX」に近い考えです

これは、システムの使いやすさなどシステム(モノ)の機能を示す「ユーザビリティ」は関連はあるものの、異なる話です。また、UI(ユーザーインタフェース)はシステムと人の境界を指す言葉だと思ってるので、ユーザビリティとも関連してUXに影響する大きな要素となりますが、UXとは異なる意味合いだと考えます。

こういった背景から、「UI/UX」「UI=UX」といった文字列を見るとかなりモヤモヤします…


UXD

「Design for UX」で、「UX(のための/に関する)デザイン」だと思います。千葉工大の安藤先生ですと、「計画」「量産」「インダストリアルデザイン」という言葉を使っていますね。(安藤先生の講演資料)

重要なのは「Design UX」「UXをデザインする」ではないということで、ユーザーの心の中をデザインする、というのはできないものだと考えます。ですので、言えるとすれば「UXのためにUI(などシステム)をデザインする」ぐらいのものかなぁと思っています。


UCD

「User Centered Design=ユーザー中心デザイン」という言葉通り、ユーザーを調査して分析したり、ユーザーに参加してもらって得られる知見を元にデザインしよう、というデザインプロセスのことだと思っています。


HCD

「Human Centered Design=人間中心デザイン」は、ISO9241-210で規格化されたプロセスを持つデザインのことかと思います。といっても基本はUCDと一緒だと考えます。同義語だと説明されるケースも多いです。

違いについては、歴史的にヨーロッパ系列かアメリカ系列かという説明がなされる場合もあります。

また、ISO9241-210では「ユーザーとは、すべてのステークホルダーを含む」と大幅な定義の拡張がなされていたりします。ちょっと無理矢理感もありますが、ユーザー中心デザインと言うと、ユーザーのことばかりに目がいってる印象を与えてしまいますが、人間中心デザインと言えば、ユーザーだけでなく、チームメンバー、経営層、サポートメンバーなどなど、プロジェクトに関わるすべての人を考慮に入れている印象が…入りませんかそうですか…


おもてなし

UXまたはUXDのことを「おもてなし」という言葉で表現するひともいますが、個人的にちょっと違和感はあります。UXDの一要素であってすべてではない、といった印象です。

おそらく、ホスピタリティといった意味合いでのUXDが語られているのではないかなぁと思います。あくまで提供側、システム開発側からの視点であって、それすなわちUXといった意見だと合わないかなぁと思います。



AgileとUXDの間の話

やっと本題…

たぶん以下でUXD/HCD/UCDを混ぜて書いてしまうかと思いますが、ご容赦ください…

アジャイルソフトウェア開発宣言を読む限り、一件アジャイルとUXDは矛盾しないかのように思います。が、実際には進んできた道が違うための溝が大きく、一歩先を行くアメリカでの先駆者が色々工夫しつつ進めてきた形かと思います。


宣言から考える

「個人と対話」「動くソフトウェア」「顧客との協調」については、HCDプロセスでも同様のことが言われていると考えます。例えば、どうやってコミュニケーションをとるか、どうやって意識を合わせるか、実際にソフトウェアを作成する以前にペーパープロトタイピングで検証するか、などです。したがって、この3点においてはアジャイルとUXD/HCDは交流するととてもいいプラクティスが産まれる気がします。

問題は「変化への対応」です。HCDプロセスでは「利用状況の把握と明示」→「ユーザーと組織の要求事項の明示」→「設計による解決策の作成」→「要求事項に対する設計の評価」という4フェーズで語られ、「評価」の結果で適切なフェーズへ戻りましょう、という形です。これに従った場合、「評価」をして戻るといった形なので、どうしても最低1サイクルは回す必要が出てしまいます。その結果、変化への対応が遅れてしまうのではないか、という考えを持ちました。

「小さな失敗」をするためには、何がポイントとなるのか、ということを別の機会にもうちょっと考えてみたいと思います。


コストから考える

現在のUCD/HCDの手法は、コストが大きいことがあると思います。といっても、単にコストを下げればいいわけではなくて、コアとなる概念は外さずにコストを小さくする必要があります。

なので、ラボで実施するユーザテストよりも手軽な機器で行うユーザテストであったり、実際にモックを作るよりもペーパープロトタイプを作成したり、そういったものがアジャイルへの布石となると考えています。ただ、ユーザテストの要がタスク設計であることや、ペーパープロトタイプの抽象度による効果の違いなど、ある程度学習しないと効果が小さくなってしまう点はあるので、ここはアジャイル側とHCD側で一緒に伸ばしていける分野かなぁと思います。


「非ウォーターフォール」

いわゆる「ウォーターフォールじゃないやつ」としてのアジャイルの文脈に違和感があり、あえて敵対するような言説には賛同しかねます。この辺りがとても残念で、ウォーターフォールで培ってきた歴史を全否定しているような言説をみかけます。ウォーターフォールだから悪いのではなく、そのプロジェクトに見合ったコスト・スピードではないから良くないのであって、何でも軽量であればいい、といったことではないかなーと思っています。

チームで仕事するということ

アジャイルの文脈でもHCDの文脈でも、「チーム」ということが重要視されています。なので、開発者であってもデザイナーであっても、これからはどう「チーム」をつくっていくか、ということがとても重要になるかと思います。


HCDの2つの視点

これまでのHCDは「ユーザビリティ」を改善する、「問題解決型」のアプローチが多かったと思います。そこに10年以上の蓄積があり、ユーザビリティの問題がUIの表層部分だけではないこと、もっと深い「戦略」といったいわゆる上流の部分に問題があることが分かってきたのだと理解しています。そして、これまで問題解決型で精度を高めてきた手法や知見が、いわゆる上流工程でも適用できることが徐々に分かり、そこで「ユーザエクスペリエンス」という部分へ踏み込んでいき、「ビジョン提案型」といわれる視点へシフトしています。

といった背景から、HCDの手技法自体もこれから「ビジョン提案型」にシフトしていく途中で、徐々に洗練されていくものだと思います。


まとめ

  • これまでの歴史を無視してアジャイルやHCDを考えないようにしたい。
  • 「チーム」としての働きを考えよう
  • プロジェクトの身の丈に合ったサイズ・コスト・スピードを考えよう。

参考リンク

ユーザー体験とユーザー観察

AgileUX NYC 2012 Redux in Tokyoに参加してきた #AgileUXNYC_ja - Shinya’s Daily Report

(あとで追加するかも)


自分でももやもやしているので、コメント・はてブ・twitter・fbなどでご意見いただけると助かります。

XB法(くろすびーほー)という人間中心デザインの考え方を軸とする発想法のワークショップをAIIT2011のみんながワイワイやるということで、ワイワイ参加してきました。

XB法の説明はこちらで。

主催しないワークショップ

最近はhcdvalueの言いだしっぺ担当になってしまっていることもあり、自分が主催しないワークショップがこんなに楽なもんかと(ry やっぱり癖で進行の仕方とか雰囲気作りみたいなのは気になってしまうのですが、性格だと思って諦めます。

進行付近で気になったところ

ダメ出しじゃなくて、気になったところ、ね。

  • 最初の空気が固かったかなぁ。他己紹介とかミニゲームで盛り上げるもよし、音楽を流すもよし、って気がしました。(ダメ出しではなく、2011メンバーメインだからこれでよかったという気もする
  • 最初にアイデア発想の全手法・分類みたいなのを提示してたけど、ハンドアウトが欲しいレベルの文量だったかなぁ。ハンドアウトがないならあのスライドはもっと少ない例でよかったかな。(最初の空気が固かったのと合わせてみんな面食らってた気もする
  • お題はよかったと思うのだけど、最初に何故そのお題なのかを全体でシェアしてもらえるとよかったかなぁと思う(で、うちのチームが完全に対象間違えちゃった。
  • 途中のXB法の進め方は特に違和感なかったです。
  • 振り返り、前の黒板で話の流れや要点を書いた方がよかったかも。結構話がアチコチ行ってたかな。(十分な量の振り返りが出てたとは思う

XB法で気になったところ

  • 三澤さんの最後のコメントがすべてに思えたです。
    • 途中で楽しむこと(ペルソナに合わないうわーんとかではなく、変なアイデア出てきたウケるワイワイ、ぐらいな感じかな
    • あくまで手法の一つとして考える(ビジネスモデルまで考えられるとかはない
  • なんかゲームストリーミングに近いですね
  • なんかテーマ設定にも手法があるといいのかなぁ(開催者向け

雑感

XB法は一昨年~去年にいっぱい試して、失敗して、成功して。AIIT2010の授業、居酒屋XB、DevLOVE内部、社内、hcdvalueアプリ応募内部、5回か。その度に三澤さんに相談してたように思う。

なので、今回は自分が仕切るのが面倒他の人が仕切るのをサポートしようという意図で参加したので、積極的に介入しなかった。つもりが、チームのアイデアのコアを出してしまったりで、何というかグダグダというか。

テーマ設定のキモ(今回の場合は動詞で考えるとか、アイデア広がりそうとか、ペルソナを土台にするかとか)をどう押さえるか、が実際に試す時に重要かなぁと思った。

XB法を人間中心デザインの教育用途として使う、というのは確かにあるなぁと思っていて、とりあえずはその用途で留めるというのもアリかもしれない。

私は10分やそこらで考えたプラグマティックペルソナ(微修正なし、検証なし)を土台にするのは危険だ、という立場だったのだけど、それを差し引いてもペルソナを土台にする効果はあったなぁと振り返りで感じた。あと、どれだけリアルな情報を設定できるか、がキモな気がする。そういう意味で猫山さん(仮)のペルソナはとてもイキイキしていた。

実際にアイデア出しをする場合、私は習った発想法がインプロやXB法、KJ法という状態に限界を感じて、ブレスト祭りを開催したところもあるので、色んな発想法を組み合わせてワークショップを設計できるといいなぁと思った。

最後の某氏の講評で、どちらにも寄ってないサービスは刺さらない、みたいなのが印象的だった。ユーザーサイド、クライアントサイド。やっぱビジネスは難しいのぅ…

一度負のエクスペリエンス、ダークサイドのエクスペリエンスは考えてみたい。有料じゃないと心地良く検索できないとか、お金を払えばいい位置に広告が出るとか。UXD的な考えだと、ついついプラスの要素(便利・簡単・ハマる…)に目がいってしまうんだけど、マイナスの要素、というのがとても大事なんだろうなぁと最近は思う。それが行き過ぎると使われなかったり、苦情が多くなったりするんだけど。そうじゃなくて、全体性というか、ビジネスという場ではもっと視野を広く持たないとなぁ、と考えてたりしました。

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私が参加している2つのコミュニティ、「DevLOVE」と「hcdvalue」の共催という形でブレスト祭りを開催した。とてもとても学びの大きなイベントだったので、開催側の視点からブログ記事を残しておきたい。

内容のまとめはこちらを。

http://devloveblog.wordpress.com/2012/03/04/brest_festa/

開催のきっかけ

1月21日に、友人らと美術館巡りをした。その時のメンバーがたまたま「DevLOVE」と「hcdvalue」だったのだけれども、その感想戦の場で中華を食べながら冗談でDevLOVEとhcdvalueのどっちを取るんだ!的な話になった。

知ってる人は知っているのだけれど、私はこの2つのコミュニティの裏方・企画みたいなところにヒョイヒョイ顔を出していて、プライベートの時間のほとんどをコミュニティ活動に費やしていたりする。まぁ1つのコミュニティの裏方でも結構アレなので、2つのコミュニティをやってるのはとてもアレで、まぁ時間のマネジメントがグダグダになっているのは否めない。

そこで、この2つのコミュニティを結びつけるイベントを何かやりましょう、という話になった。吸収合併するぞと脅されたり、踏み絵を踏まされそうになったりした話は割愛する。


どう結びつけるか

そもそもDeveloperが集まるコミュニティの「DevLOVE」とDesignの中でもHCD(人間中心デザイン)に興味を持った人が集まるコミュニティの「hcdvalue」をどうつなげるか。これはこの1年の活動で色々考えていたこともあり、「アイデア発想」という形で繋げたいなぁと考えた。

DevLOVEもhcdvalueも「現場」というコンテキスト(文脈)をコンセプトに持つコミュニティだ。誰かのありがたい講演を聞いただけ、完全に設計されたWSを体験するだけでは、簡単に現場には持ち込めない。そこでもがくために、コミュニティで色々やっているように思う。それは失敗してもいい場としてのWSだったり、何か新しい手法を学び、それについてあれこれメンバーと議論することでもある。(議論する場はダイアログだったり飲み会の場だったりする)

現場でどう活かせるか、と考えた時に必要なもの、足りないものはたくさんある。たくさんあるんだけど、それは各人がアイデアを出して、一歩一歩解決していくしかないと思う。だから、アイデアを発想することが、「現場」への一番への還元になることだと思った。

ここで言うアイデアは多岐に渡る。プロジェクトの中のブレイクスルーだったり、現場改善のアイデアかもしれない。お客に提案する際のキーメッセージだったり、デザインの改善アイデアだったりするかもしれない。どんな小さな改善も、やっぱり「アイデア」なんだと思う。言い換えれば創造性とかになるんだけど、そういったアイデアを発想することが、DeveloperやDesignerをつなげる点として有効じゃないかと考えた。


石井力重さんをお呼びすること

そんな訳で、二つ返事で2つのコミュニティをつなげる役を買って出たのだけど、ちょっと考えて、講師を石井力重さんにお願いすることにした。石井さんとは、XB飲み会(クロスビー)でご一緒した後、宮城繋がり&同大学卒繋がりということでtwitterやfacebookでコミュニケーションさせていただいていた。アイデア発想をベースに起業されており、アイデア発想のツールを開発したり、全国を跳び回って講師やWSファシリテーターとしてご活躍している方だ。


テーマを設定する

テーマは私の想いから事前打ち合わせでブレストし(ここも石井さんのテクニックを色々垣間見た)、「学びの効果を実感するには、どうしたらよいか?」という形にさせてもらった。これをテーマに、システムや手法など、色々とブレインストーミングしてもらう。

これはIT勉強会コミュニティの一つとして大きくなってきたDevLOVEと、社会人向け教育プログラムを基礎にコミュニティ化したhcdvalueで、共通の大きなテーマだと勝手に思っていたものだった。

DevLOVEは「野戦病院」というメタファを使っていた時期があった。現場での戦いに疲れたDeveloperがコミュニティで英気を養い、いつかまた現場へと帰っていく。でも、本当にコミュニティは今のままでいいのだろうかという不安が必ずつきまとっていたりする。運営で飲み会をしていると、「みんな本当に現場で役立っているんだろうか」という話が出ることが多くなっていた。「現場」のハブとして機能させたいのに、その循環がうまくいっているのか分からない。学びの場を提供しているものの、その効果が実感できない。そんな不安もあり、どうやったら学びの効果を実感できるのか、一度真剣に考えたかった。

hcdvalueはまだ発足1年の小さなコミュニティだ。外部向けの勉強会というのは開催しておらず、内部向けのワークショップを中心にやっている。ちょっと変わっているのは外部向けに学会発表をしていることかと思う。こういった活動は、その基礎になる産技大「人間中心デザイン」での学びが大きくて、しかもそこでの講師の方々がそれぞれセミナーやWSを開催していることが大きいかな、と思う。でも、本当にHCD(というプロセス)を現場に組み込むなら、学びの効果を実感してフィードバックし、その効果を他の人にも実感してもらうことが大事になるはず。だから真剣に考えたかった。


開催のふりかえり

とりあえずみえている範囲ではとても満足度が高くてホッとした。石井さんのファシリテーションと発想技法、その開設が素晴らしいことが大きいと思うのだけれども。では何が良かったのだろうか。

一つは「明日使える」ヒントがたくさんあったこと。これはDevLOVEのコンセプトに近いものがあって、遠い将来使えるコトじゃなく、明日の現場で使おうと思えば使えるヒントがたくさんあった。たくさんあり過ぎて取りこぼしてると思うのだけど、webにあがっている資料を読めば、きっともう一回拾えると思う。

二つ目。ブレストの技法がこんなに整えられているのか、といったものが単に把握できたこと。「創造工学」という分野には、とてもたくさんの知見があるんだなーと単純にびっくりした。IDEOとかで知ったつもりではいたけど、全然分かっていなかったなぁという感じ。とても心がホクホクしました。

三つ目。初対面でもちゃんとブレストができたこと。グループワークではアイスブレイク的に自己紹介、なんてのも多いのだけど、それを飛ばして、ブレストから入った。それでもちゃんとできたのは、参加者のモチベーションが高かったのか、石井さんのファシリテーションの妙なのかは分からないけど、とっても勉強になった。

四つ目。DevLOVEとhcdvalueが交流できたこと。裏テーマがDeveloperとDesignerのミートアップだったのだけれども、それがちゃんとできたかは不安。だけれども、懇親会でちゃんと混ざって会話が進んでいたりしたので、よかったなぁと思う。(まぁhcdvalueはちょっと固まりやすい傾向はあることが分かったけどw)

五つ目。「学び」について109個もアイデアが出たこと。これは単純にすごいなぁと思う。32人で3個以上のアイデアが出て、109個ですしおすし。「ハイライト法」ということで☆による評価はついているけれども、基本どのアイデアでも☆がついている状態で、それなりのアイデアが出ていたように思った。

今年はデブサミに行けなかった、行かなかった。そんな話をしようと思った。


DevLOVEとの出会い

ちょっと振り返ってみたい。まずはDevLOVEとの出会いから。

私はDevLOVEというコミュニティに参加していて、一昨年2010年の10月から裏方として参加している。DevLOVEとの出会いは、勉強会に狂ったように参加していた2010年3月、チームラボ主催のPM勉強会があって、そこでDevLOVEを始めた2人のうちの1人、竹本さんに出会い、DevLOVEの名刺をもらった時だと記憶している。その後、4月~8月くらいに、DevLOVEの様々なイベントに参加した。RIA勉強会、Android勉強会、Dluid(DevLove User Interface Design)…

その中でユーザインタフェースの魅力にハマり、産技大「人間中心デザイン」を受講するきっかけになった。産技大のプログラムを受講中、DevLOVEのようなコミュニティの中に入りたいと思い、裏方に志願した。

DevLOVEと出会うことがなければ、産技大の授業を受けることもなかったし、人間中心デザインを学ぼうとも思わなかったし、そこから派生した、hcdvalueという別のコミュニティもなかったか、別の形になっていただろう。

デブサミ2011

そんなDevLOVE裏方として、2011年2月、デブサミ2011に初めて参加した。

事前の打ち合わせで、特別な空間として認識していた場所は、やっぱり特別だった。2日目しか行けなかったけど、普段その人だけで1イベント立てられるような人がわんさかいた。その中でDevLOVEは1セッションを担当して、「未来のために帆を立てる」というセッションをした。その手伝いをする中で、とても大きな充実感を得ることができた。


震災後の世界

そのセッションのあと、忙しく仕事をこなしていたら、あの震災があった。

実家が宮城なのでとても心配したが、幸い被害が少ない地域で、色々悩んだあげく、東京で仕事を続けることにした。ITでできることなんて、ほとんどないんじゃないか、と悶々とする日々を過ごしていた。

僕らが日常だと思っていたのは、何だったのだろう。


変わらない世界

でも、とても大きな変化があったのに、私は今までと同じ仕事を淡々と続けていた。目の前の仕事をこなすことで精一杯だった。どこから変えていいか分からなくなっていた。

そして時は流れて、2012年2月。やっぱり仕事は忙しかった。とてもとても。


デブサミ2012

隙があれば2日目午後から参加しようと思ったが、全然ダメだった。

企画あれやこれやに参加していたものも、魂とビデオカメラを預けて、全部まかせた。

僕は、ちゃんと仕事をするという選択をしたのだった。

できれば、仲間と一緒にやりたかった。でも、今のようにあたふた仕事をするようなスタイルでは、やっぱりダメなのだ。お題目としての「効率化」は議題にあがるけれど、それを着実に実行しないといけないな、と仕事場でPCをたたきながら考えていた。

ちょっと長文になってしまいそうだけど、2011年のまとめ、そして2012年の抱負を述べたいと思います。


「人間中心デザイン」のコト

UCD/HCD/人間中心設計/UXD…など呼び方は様々ですが、その学びが始まった年でした。2010年9月~2011年2月にあった、産業技術大学院大学の社会人向け履修証明プログラム「人間中心デザイン」を受講し、履修証明を修了することができました。(公的なものとして履歴書に書けるという意味合いです)

プログラマ/ソフトウェアエンジニアとしてモヤモヤしていた気持ちから受講を決めたのですが、結果的に現在の自分の中でとても重要なものとなっています。作るモノに対する姿勢が変わったというか、何故これを作るんだろう、というのを意識的/無意識的に関わらず考えるようになりました。

まだ、仕事には直接的にフィードバックできていないのが自分でも悔しいのですが、間接的にはその根幹の考え方というか、思想が資料作成やらでとても役立っています。


「hcdvalue」のコト

上記の履修証明プログラム2010年度履修生を中心に、HCDに興味がある人を誘い、hcdvalueというコミュニティを立ち上げました。(2011年2月) 割とのんびりと気長にやっていくつもりでしたが、色々ありまして、結果的に外部に発表する機会が増えた形になりました。

・(2011年4月~5月) TOYOTAソーシャルアプリアワード応募ワークショップ

・(2011年6月~12月) UX白書翻訳プロジェクト

・(2011年7月~) ISO9241-210読書会(内部のみ)

・(2011年12月~) 東京スマートフォンAPPアワード応募ワークショップ

新横浜ユーザビリティ研究会@横浜デジタルアーツを皮切りに、ヒューマンインタフェースシンポジウム@仙台国際フォーラム、情報デザインフォーラム@千葉工大、HCD-net研究発表会@文京シビックホールなどで発表させていただきました。

UX白書に関しては、正式な日本語訳として採用され、公式にリンクを貼ってもらえました。(黒須先生を中心としたHCDnet理事の方々のサポートのおかげです。

外部に発表することで、自分達の立ち位置みたいなのがちょっと分かってきたので、これからも発表するかもしれませんが、ペースは要相談かと思います。本業をしつつコミュニティでやるといった形だと、1年に何回も発表する、というのは現実的ではない気がします。エイヤッと進めた部分が多いという反省です。(スピードだと本職の学生・教員の方々には劣るし、質だと企業の事例の方が身があるし、ちょっと中途半端感がある)

学際的な分野に手を出しているコミュニティってのもなかなか珍しい気がするし、面白いなぁとは思っているのですが、コンセプトは「現場で使えるHCD」なので、もう少し座談会的なものをやってみたいなーとか考えている今日この頃です。


「DevLOVE」のコト

2010年10月から裏方として参加しているDevLOVEですが、今年は反省が多かったです。5月のHangarFlight SpringBombではhcdvalueとして発表したり、その前日にはHangarTalksとして自身のストーリーを語ったり、12月のHangarFlight SnowBarrageではWarlockReportさんと脇阪さんにお話をお願いしていたりしましたが、その裏で何本も企画を潰しているので、個人的にはうーんという感じです。

個人的には、プログラマの視点から見たHCD/UXDという意味合いで案を出すことが多いのですが、ソレに対する腹落ちをしたのが11月末くらいだったので、どうにもノリきれていなかった、と考えています。

今はそれなりに腹落ち感があるので、ズババ~ッと企画してドスンと開催したいなぁと考えています。


「震災」のコト

実家が宮城で、2010年に離婚したこともあって娘を実家に預けていたことから、3月11日の震災はとても大きな分岐点になりました。幸い実家の被害もなく、親戚・家族・友人は皆無事だったのですが、東京でとても歯がゆい思いをしました。

比較的被害が少ない地域の実家に居ても、震災の爪あとは感じます。地盤が緩んでボロボロになった地面。4月の大きめの余震の話、あまり報道されていない9月の台風の被害。宮城にいないと入らない情報もあり、自分は何をできるのか、何をすればいいのかを考えたりしていました。知り合いのうーん…といった話などを聞くにつけ、人々のつながりといったものの大事さ、何を考えて暮らしてきたかが、こういった危機に出てくるということ、そういった当たり前だと思って視ていなかったものが、見えた1年でした。


「アウェイのコミュニティ」のコト

今年も、アウェイのコミュニティにお邪魔したりしました。1月には情報デザイン研究会の新年会に何故か混ざりに行ったり、デブサミに参加したり、DSSTに参加したり(これはホームに近かったけど)、metaconに行ってみたり、Silverlightを囲む会に行ってみたり、静岡インフォグラフィックスのワークショップに行ってみたり、名古屋のサービスデザインのワークショップに参加してみたりしました。

たまに自分は病気なんじゃないか、と思うことがあるんですが、「ホーム」と認識したところにずっと居るのがとても不安になるみたいです。こうやってる間に見落としているものがあるんじゃないか、という感覚に近いです。というわけで、様々な研究会やワークショップにお邪魔していました。

なかでも、静岡のインフォグラフィックスのワークショップは、とても勉強になったので、感じたことを書いておきたいと思います。


歴史の不連続点について

私の入ったチームでは、静岡市で多数開催されている模型・ホビー系イベントを一覧できるようなインフォグラフィックスを作ろう、という目的でした。そこで、現在のプラモデルが何故静岡市で栄えているか、を調査したところ、その起源が徳川家康時代にまで遡ることが分かりました。木材加工の職人が多数存在し、その中で木製模型を製作し、それが戦後に帆船制作へ、そしてプラスチックの輸入から、現在へつながっている、ということです。

そこには、明らかな不連続点があるように思います。突然徳川家康に連れてこさせられた、建物を作るのではなくなった、木製の模型をつくる、戦闘機は制作できない、プラスチック材がやってきた…そんな不連続点が、何個もあったのではないでしょうか。


不連続点を乗り越える想いとコミュニティ

それらの不連続点は、一つにはある個人の想いで超えていったものがあると思います。生活のために必死だったり、捨てきれない夢だったり。そういった、ある個人の強烈な想いが、不連続点を乗り越えるために必要なのではないか、と思うようになりました。

もう一つ、コミュニティも重要な要素としてあると考えます。先の例で言えば「静岡模型教材協同組合」などといった、生産者のつながりが、お互いの切磋琢磨やサポートを促しているように感じました。


まとめ

つまり、今までもやもやしてきた、歴史・情熱・コミュニティといったものが、うまく繋がり、自分の中で腹落ちしたワークショップでした。


2012年の抱負

(あとで書く)

・UXDの実践を進める

・社会心理学を自学自習する

・Androidアプリ/iPhoneアプリを1本ずつ作る

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