Photo via on Visual Hunt
2010年7月。
土曜に開催する、とあるデザイン思考のワークショップに参加申込をしていた。
ちょっと前にたまたま知った、デザイン思考やUXという言葉。とてもワクワクしていた。

でも、本業の仕事がどうしても片付かなくなってしまい、本当にごめんなさいと電話した。
とっても、悲しい気持ちで仕事をした。

2010年8月。
たまたまTwitterで見かけて、「産業技術大学院大学で人間中心デザインというものの社会人向け講座があるらしい」と知った。
なんだか、とても心惹かれた。
当時は単にプログラミングしてるだけだったのに、なぜこれほどまでに、ユーザーエクスペリエンスというものに惹かれるんだろう。
先日のワークショップの講師の方の書籍を読んで、居ても立ってもいられなくなった。

でも、約半年間、水曜と金曜の夜、土曜一日、講義やワークショップがあるらしい。
先日、たった一日の勉強会でさえキャンセルしてしまった。大丈夫だろうか…

迷いに迷って、最終的に申し込んだ。
申し込んで行けなくなったら、それまでだ。


2010年9月から、2011年2月。
産技大の人間中心デザインに通った。
正直、記憶が曖昧だ。
なにせ、炎上気味なプロジェクトを本業で抱えながら、週1〜2回早退して講義へ行き、
勉強会コミュニティの運営に10月から関わるようになっていた。

でも、本当に楽しかった。それだけは覚えている。

まだ、東日本大震災が起こる2011年3月の前のこと。



2018年12月。
2010年2月の産技大の講義が終わった後に有志で立ち上げたhcdvalueは、UX白書を翻訳したりして、素振りと称した勉強会やワークショップをたくさんして、ほぼ休業状態になった。
でも、そこから派生した UXRED は、HCD-Netの研究発表会で優秀賞をとったりした。
その時は趣味だったUXデザインを、できれば仕事にしたいと思っていたら、いつの間にか2度転職していた。
2017年度からは、なぜか産技大人間中心デザインのとあるパートの講師もさせてもらっている。


たぶん2010年に申し込まなかったら、私は2011年以降で申し込んでなかっただろうと思う。
正直、震災の後は、心がずっとザワザワしていた。
できれば地元に戻りたい。でも、今地方に戻っても、仕事を続けられるスキルがない。
ほぼ毎晩考えていた。そこから逃げるために、ずっと予定を埋めていたのかもしれない。

2014年に今の会社に入り、半分はリモート、もう半分は東京出張するような仕事スタイルにして4年半が経つ。あの頃おぼろげながら考えていた、地元に戻ること、UXデザインを仕事にすること、が少しずつできてきている。

そういえば、今の会社の代表は、2010年7月にワークショップのキャンセル連絡をした人だった。

すべての、偶然と必然のつながりに感謝を。


これは、産技大人間中心デザインOB/OG Advent Calendar 2018 の1日目の記事です。
明日は、ozu_syo さんです。