いつかタイミングが合ったら参加したいなぁと思っていたHCDnetの京都のイベントで、丁度よいタイミングだったので参加することができた。

http://www.hcdnet.org/event/hcd-net-salon/41hcd-nethcd_in_1.php

京都はちょっと文化が違うというか、ソフトディバイスさんとオーバルプランさんといったデザイン会社が有名で、普段私がいる東京とは何か違う文化があるように感じた。それを体感しに行きたかった。

当日のtweetまとめはこちら。 
http://togetter.com/li/620639
 

「HCDとデザイン思考」山崎 和彦氏(千葉工業大学・教授)


これはHCDnet研究発表会で聞いていた内容だったので、ちょっと客観的に聞いた。
山崎先生はデザイン思考を「人間中心設計を基本にした創造的なデザインアプローチを多様な分野で活用すること」と定義して話を進めており、実践として「リフレーミング」を起点として開催した多数のワークショップの紹介をしていた。
私は、HCDもデザイン思考も同じものだという認識だ。去年12月にブログに書いたが、HCDは概念が好きなヨーロッパ側からの要請が強く出ていて、デザイン思考はIDEOに代表されるようなコンセプトデザインの実践からの知見が多いように思う。違うのは、Ideation(創発)が明示的にプロセスに入っているかどうか、また、デザインを「思考」として切り出し、デザイナー以外の人でも(あたかも?)使えるようにしたことの2点が顕著で、その点では山崎先生の指摘は誤りではないと考えている。


「HCD-Net関西支部活動」水本 徹氏(HCD-Net関西支部・支部長)


関西支部の去年の活動報告していた。
私は東京を中心としたDevLOVEというIT勉強会コミュニティの裏方(一般的な言い方ではスタッフ)をやっており、以前からやっていたDevLOVE関西に加え、去年はDevLOVE四国、DevLOVE仙台、DevLOVE名古屋、DevLOVE神奈川、DevLOVE鎌倉、と地方コミュニティが立ち上がった。私はDevLOVE仙台の立ち上げに参加したが、地方は地方なりのWhyと、確固たる意志をもった(実質的な)リーダーが居ないと成立しにくい。まずは1年続くことがとても重要であるように思う。
東京一極集中というのも好き好んでるわけではないし、色々やったらいいんよなーと聞きながら思った。
以下がHCD-Net関西支部が活動したイベントのはず。
http://www.hcdnet.org/event/hcd-netin.php
http://www.hcdnet.org/event/hcd-net_35_1.php
http://www.hcdnet.org/event/in_1.php
http://www.hcdnet.org/event/hcd-net_16.php

「オムロンヘルスケア ヒトを想うカタチ」湯本 将彦氏(オムロンヘルスケア株式会社UXグループ)


事例発表。これは非常に面白かった。人がどうやって血圧を測るのか、なんて実際の使ってる場面を観察する以外にないし、できるだけ再現しようという取り組みがとても面白かった。ただ、観察で開発者、企画者、デザイナー、リサーチャーが同時に同じ場面を見るシーンが怖かった。あれはテストユーザーの方は血圧高くなったりしないのだろうか…まあ測るフリをすればよいのでどうでもいいのだが、実際のユーザーの行動に影響を与えないか心配になった。
実際の販売店舗を模擬した、話は色々考えさせられた。AppStoreで再現できないか…でも動線によって違うし…etc.


「デンソーにおけるHCDの活用事例」中村 耕治氏(株式会社デンソー・次長)

こちらも事例発表だった。
使っている手法は、そんなに目新しいものではなかった。けれどもそれをちゃんと実行し切ったということが大事だろうし、HCDでやりました、というのが大きな成果になっていて、頑張らないとなーと思った。
先行開発におけるプロトタイピングなのだけれど、どうやってそれを模擬するか、そういったところにデザイナーの知恵があるように思う。


「ソフトデバイスにおける最近のデザイン活動」八田 晃氏(株式会社ソフトデバイス・代表)

あー、これはなるほどなーと思った。自社のLABの取り組みから、OpenLABとして公開した仮想プロジェクトの紹介。そこからプロジェクションモデリングを紹介していた。「エクスペリエンスをモデリングする」ということを真剣に考えた結果いきついたプロトタイピング?モデリング?という気がした。
ふと、作る現場と使われる現場の乖離の話を思い出した。プロとしての仕事って何?ということもあるのだけれども、主眼として使われる現場と作る現場の乖離が、このプロトタイピングを生んでいるような気がする。作る人はどこまで使われることを想定できるのだろう?できないなら、こういった仮想のものが必要になっていくのだろうか。


パネル発表およびディスカッション

 気が向いたら書きます。