8月4日(日)、自分がほぼホームグラウンドとして活動しているDevLOVEの勉強会「Tech Guild - Interview Slills -」に、完全な参加者として参加しました。運営に関わらずにDevLOVEに参加したのは、かなり久しぶりだった気がします。

「インタビュー」という「王道はない」「みんな実地で学んできた」というものが多いものに、半日の勉強会として取り組んだのはおそらく少ないと思っています。非常に貴重な機会で、とても充実した、学びの多い一日でした。

 
たぶん、講師&特別コーチの方々を全員知っているのも少なかったと思うのですが、アドビシステムズ社のシニアエクスペリエンスリサーチャの山崎真湖人さん、道具眼という屋号でフリーランスのユーザビリティ評価全般に携わる古田一義さんを講師としてお招きし、さらにユーザビリティ/エクスペリエンスデザインの調査・評価の老舗であるU'eyes Designのメンバーでhcdvalueでも講師として何度かお話いただいている伊藤英明さん、一昨年グラグリッドを立ち上げた三澤直加さん、フリーランスのユーザビリティスペシャリストの奥泉直子さん、という私から見たら人間中心デザイン(ユーザー中心デザイン)/ユーザビリティのスペシャリストが講師陣の勉強会でした。(うあー自分が申し込んだらおかしいかなーでも行きたいなー)とかなり迷った末に、申込みました。


詳細な内容はtakigawa401さんのレポなどをご参照ください。(逃


私がレポートする内容としては大きく3点。自分としての学びの内容と、この勉強会を包む空気感について自分が学んだことです。


まず自分としては、ボロボロでした。何がボロボロだったかというと、インタビュースクリプト(台本。進行シート。箇条書きレベルではなく、もっと実際に話す言葉に近いレベルで、でもこれを読み上げるわけではなく、アドリブや臨機応変に変えていくもの。)の設計が甘かったです。今後自分がこの業務をやるとしたら、一度書いて、社内のメンバーで最低1〜2回は練習して、その後で実施に望むと思います。
あと、思いっきり自分の悪い点・苦手としている点が出てしまって、「キャラを作ることができない」というものです。その結果、何か緊張している、ボソボソ話している、といった印象を他者に与えてしまう態度で望んでしまっていたと思います。これは猛省すべきで、直していきたいのですが……ま、私の基本属性は青魔法だと思っているので、他人のインタビューする姿を見て学んでいこうと思います。今回も他の人の姿を見て学ぶことが多かったです。ラーニング、ラーニング…


この勉強会を包む空気感について、色々考えました。
一つはこの「インタビュー」というものに取り組む際には最低3ステップ必要で、「設計→実査→分析」が必要だと再認識したこと。今回は設計の一部と実査です。これをやるだけで、少なくとも設計の大切さを痛感しました。準備したこと以上のものは得られないという感覚。自分はHCDになんだかんだで関わっているので、これをひと通り体感できたのが本当に貴重な学びでした。産業技術大学院大学の履修証明プログラム「人間中心デザイン」(2010年度)では、実は体験できていませんでした。(その後の2011年度以降ではその授業が組み込まれています。)なので、このインタビューがずっとアキレス腱的な感覚でした。今回体験して、やっと自分の中で人間中心デザイン(HCD)の軸が通ったというか、「つながった」感覚がありました。
もう一つは「手軽・便利・低コスト」に至るまでの方法です。この勉強会はリーンスタートアップを志向するメンバーが多数集まっていた印象です。自分達が考えたソリューションの解決したい「課題」を設定してその課題を持つ人を探す、またはその人が持つ課題を引き出してその課題のソリューションにピポットする、といった顧客開発の考え方から見たら、おそらく今回のインタビューで見えたものは、重厚長大な(いわゆる)ウォーターフォール感を感じたように思います。でも、今回の講師陣はスペシャリストなわけで、そのスペシャリストですらこのくらいの時間(60分以上)が必要だと挙げているのには理由があるわけで、最後のディスカッションではそこの溝をなんとなく感じていました。

自分はそこに「warm heart,cool head」(暖かい心と冷静な頭)のせめぎ合い、あるいは山崎さんが途中でおっしゃっていた「(貴重な)情報をいただいているという感覚」を見た気がします。このプロダクト・サービス・ソリューションで一山当てたいんだ!という熱い心。それはとても大事だと思っていて、必要だと思っています。ただ、インタビューとして必要なのはどちらかと言えば冷静な頭で、それが欲しい情報なのだと思っています。「◯◯さんが欲しいって言ってました!」が欲しい情報ではないはずです。その欲しい情報を得た方が結果的に機敏な開発ができるのではないかと思っています。
その「欲しい情報」 はインタビュアーとインタビュイーとの信頼関係ができないと話してくれない部分であって、その信頼関係を築くためにどの程度のコスト(時間的、費用的)が必要かといったことになるかと思います。つまり、その見積もりは相手側にあって、自分側にはないという感覚です。でも、(人間なので)どうしても自分のことを過大に見積もってしまうのかもしれない、と考えながら議論を聞いていました。最近某人から聞いた「MarketingとSellingの違い」の話と似ているのかもしれません。「買っていただくこと」と「売ること」の相似と差異。
でもこれは☓☓が正しい、と言いたいわけではなく、全部必要なことだと思っていて、 何かを否定したいわけではないです。


どう締めたらいいか分からなくなってきたので、山崎真湖人さんをググろうとしたらサジェストされた山崎真実さんの写真を貼って締めたいと思います。
 
yamasakimami

今回企画してくださったpapandaさん、講師・コーチのみなさん、ありがとうございました!