私が裏方の一人として参加している「DevLOVE」という社外IT勉強会コミュニティにて、約2ヶ月の間に3つの勉強会を企画した。とりあえず、私の中で一段落したので、ブログに記しておきたい。

 間に「DevLOVE.Visualization (2013/5/13)」もやってるのだけど、これはちゃちゃき企画という感じではなく、みんなで企画してドライブしているので今回は上記3つにフォーカスしたい。
 

最愛志向のコミュニケーション戦略

最愛戦略は、ひょんなことから河野武さんを知ってブログをウォッチして約1年、この方の話をちゃんと聴いてみたいとモチベーションが高まり、お願いして企画した。(河野さんの講演後のブログ記事はこちら )
カテゴリに括るとすれば、これはエンジニアリングではなくマーケティングの話だと考えている。でも、そんなにエンジニアから遠い話はしてないと考えている。アジャイルをずっと(10年以上)やっている人もビジネス価値を可視化してつくる方法について模索しているし、UXデザインや人間中心デザイン含むデザインをずっと(10年以上)やっている人もビジネス価値を設計時に掴む方法について模索しているし、DevOpsをやっている人も継続的なビジネス価値のためのバックエンドをどう作るかの話をしているように思っている。

ただ、「価値」の認識は人によってブレる。たとえ開発するチーム内であっても。ブレて、ズレ続ける。「価値」という言葉すら、認識はズレる。だから、そのズレ をどこかで認識して、意識を合わせないといけない。意識を合わせないと、チームはチームじゃなくなってしまう。そのためには【言葉】が必要だ。ズレを認識するための軸となる目線のようなもの。その一つが「最愛」だと思って聴いていた。
あえて批判的に見れば、「愛」というものも人によって認識がブレる、怖い言葉だ。博愛、偏愛、寵愛、恋愛…だから、軽々しく口にすることは憚られる気がする。でも、全部「愛」だ。あとは自分や自分達が何を愛とするかを決める、自分で決めることなんだと思う。

エンジニアリングの考え方は「作って終わり」から脱却しようとしているように思う。うまく「使い続けてもらう」「使ってもらうために作る」といったことへのシフトだろうか。そのための目線の一つとして、「最愛戦略」は聴きたかったし、実際に聴いてよかったな、と思った。


プライバシー・アイデンティティとサービス設計

2009年のえxぺの勉強会で知ってすごい思い入れがあることは先の記事に書いてしまった。実際開催した後の話をしよう。
告知・申込ページにリンクを貼った記事の方が参加者としていらっしゃるのに気付いてなかったり、お前本当に思い入れがあるのか状態で、内容も進行もほぼすべて折田さんに丸投げ状態で、非常に胃が痛くなったのだが、開催してよかったなぁと本当に実感した。 
これだけソーシャルメディア、ソーシャル、サービスと言われている中で、プライバシーやアイデンティティ、名乗りやIDについて、大きく話題になることはない。考えなくても使うことができてしまうし、例えばfacebookでどこまで共有されているかを把握することすら未だに難しい。 でも、本当に考えなくてもいいのかなぁと思う。そんな意識があって開催に至った。

今回収穫だったのは、アイデンティティに対してコミュニティという概念が紐ついていたことだった。言われれば確かにそうなのだけれど、名乗るという行為はそれを共通認識とする人の集合がないと成り立たない。

実際、私の場合はというと、「chachaki」という名前はfacebookの「本名(実名)」とリンクしている。それは意図してやった部分もあるし、意図してなかった部分もある。chachakiというIDでは色々やらかし過ぎてるので、どこかで消すことも選択肢としてあったけど、それでも引き継ぐことを選択し続けている。

最近webサービスが増えてきて、 最初にユーザー登録して、ログインして使う。でもサービス内容によっては、違うIDとして登録したいこともある。でも、そんなことは分からず、ユーザーとしては使い慣れたIDか、あるいは捨てアカ的なIDを使うことを選択させられてしまう。facebookでログインした場合は、基本的に複数アカウントはNGなので、ある1IDを使うことになる。使うことを選択しているのなら仕方ないけど、使うことを強いられてしまう。そう、サービス提供側に強いられてしまう。

「サービス」について考えるなら「ユーザー」について考えるべきで、「ユーザー」について考えるなら「ID」について考えるべきだと思う。誰であるかが明確になれば、それに合わせたサービスが提供できる。ユーザーの情報がより多くの情報が得られるようになると、それでサービスが向上するように、自然と考えてしまう。そこにはトレードオフがあることが、開発しているとふと意識から落ちてしまうことがある。

まだこの辺りはもやもやしているので、今回知った隣接のコミュニティに顔を出して、考えていきたい。
 

 

DevLOVE.Career.Design

これは林さんの前後の記事(DevLOVE.Career.Designの前説己を知ること)を見ていただくといいと思う。かなりなむちゃぶりをお願いしてしまった気がして申し訳ないとともに、お願いしてよかったなと感じた。

自分のキャリアについて考えたことがあるか、というとNOだった。私は昨年2012年末に転職をしたのだけれど、その時はさすがに自分のキャリアについて考えたけど、それでも自身を持ってYESと言えない。 答えがないというのもあるけれど、比較対象が仮のもの過ぎて、ふわふわしてしまうのだ。自分が比較優位な点で転職はできるけど、絶対的な何かがないのでキャリアについて考えたことになってないというか…

そんなモヤモヤを抱えつつ、林さんとご相談して会を開催することができた。参加者の満足度も高いと感じたので、概ね成功と言えるのではないかと思ってホッとしている。


 

3つ開催してのまとめ

3つイベントを開催して、共通項を挙げるとすれば、「継続」と「選択」だと思ってる。
最愛戦略は、ビジネスの循環、サービス提供者側と受益者側との循環、それを継続していくこと、その為に「最愛」を選択すること、さらには、愛されるためにあるターゲットを選択することを学んだと思っている。
プライバシー〜は、ユーザー自身があるIDや名前で過去から継続しているもの、それとサービスをどう接続するかを選択する、そんな部分の話だったと思う。
Career.Designは、これから先にどう自分のキャリアを継続していくか、どうキャリアを選択していくかといった話だったと思う。

全部、継続と選択の話だった。敢えて言えばプライバシー〜は「過去と現在」、最愛戦略は「現在と未来」、Career.Designは「過去と未来」の話だったかもしれない、これは私個人の見方だけれども。

ひとまず、イベントを開催して終わりではなく、継続して考えていくテーマだと思う。どれか一つでも参加した方から、また継続した何かができればいいなと思う。