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2012年03月

XB法(くろすびーほー)という人間中心デザインの考え方を軸とする発想法のワークショップをAIIT2011のみんながワイワイやるということで、ワイワイ参加してきました。

XB法の説明はこちらで。

主催しないワークショップ

最近はhcdvalueの言いだしっぺ担当になってしまっていることもあり、自分が主催しないワークショップがこんなに楽なもんかと(ry やっぱり癖で進行の仕方とか雰囲気作りみたいなのは気になってしまうのですが、性格だと思って諦めます。

進行付近で気になったところ

ダメ出しじゃなくて、気になったところ、ね。

  • 最初の空気が固かったかなぁ。他己紹介とかミニゲームで盛り上げるもよし、音楽を流すもよし、って気がしました。(ダメ出しではなく、2011メンバーメインだからこれでよかったという気もする
  • 最初にアイデア発想の全手法・分類みたいなのを提示してたけど、ハンドアウトが欲しいレベルの文量だったかなぁ。ハンドアウトがないならあのスライドはもっと少ない例でよかったかな。(最初の空気が固かったのと合わせてみんな面食らってた気もする
  • お題はよかったと思うのだけど、最初に何故そのお題なのかを全体でシェアしてもらえるとよかったかなぁと思う(で、うちのチームが完全に対象間違えちゃった。
  • 途中のXB法の進め方は特に違和感なかったです。
  • 振り返り、前の黒板で話の流れや要点を書いた方がよかったかも。結構話がアチコチ行ってたかな。(十分な量の振り返りが出てたとは思う

XB法で気になったところ

  • 三澤さんの最後のコメントがすべてに思えたです。
    • 途中で楽しむこと(ペルソナに合わないうわーんとかではなく、変なアイデア出てきたウケるワイワイ、ぐらいな感じかな
    • あくまで手法の一つとして考える(ビジネスモデルまで考えられるとかはない
  • なんかゲームストリーミングに近いですね
  • なんかテーマ設定にも手法があるといいのかなぁ(開催者向け

雑感

XB法は一昨年~去年にいっぱい試して、失敗して、成功して。AIIT2010の授業、居酒屋XB、DevLOVE内部、社内、hcdvalueアプリ応募内部、5回か。その度に三澤さんに相談してたように思う。

なので、今回は自分が仕切るのが面倒他の人が仕切るのをサポートしようという意図で参加したので、積極的に介入しなかった。つもりが、チームのアイデアのコアを出してしまったりで、何というかグダグダというか。

テーマ設定のキモ(今回の場合は動詞で考えるとか、アイデア広がりそうとか、ペルソナを土台にするかとか)をどう押さえるか、が実際に試す時に重要かなぁと思った。

XB法を人間中心デザインの教育用途として使う、というのは確かにあるなぁと思っていて、とりあえずはその用途で留めるというのもアリかもしれない。

私は10分やそこらで考えたプラグマティックペルソナ(微修正なし、検証なし)を土台にするのは危険だ、という立場だったのだけど、それを差し引いてもペルソナを土台にする効果はあったなぁと振り返りで感じた。あと、どれだけリアルな情報を設定できるか、がキモな気がする。そういう意味で猫山さん(仮)のペルソナはとてもイキイキしていた。

実際にアイデア出しをする場合、私は習った発想法がインプロやXB法、KJ法という状態に限界を感じて、ブレスト祭りを開催したところもあるので、色んな発想法を組み合わせてワークショップを設計できるといいなぁと思った。

最後の某氏の講評で、どちらにも寄ってないサービスは刺さらない、みたいなのが印象的だった。ユーザーサイド、クライアントサイド。やっぱビジネスは難しいのぅ…

一度負のエクスペリエンス、ダークサイドのエクスペリエンスは考えてみたい。有料じゃないと心地良く検索できないとか、お金を払えばいい位置に広告が出るとか。UXD的な考えだと、ついついプラスの要素(便利・簡単・ハマる…)に目がいってしまうんだけど、マイナスの要素、というのがとても大事なんだろうなぁと最近は思う。それが行き過ぎると使われなかったり、苦情が多くなったりするんだけど。そうじゃなくて、全体性というか、ビジネスという場ではもっと視野を広く持たないとなぁ、と考えてたりしました。

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私が参加している2つのコミュニティ、「DevLOVE」と「hcdvalue」の共催という形でブレスト祭りを開催した。とてもとても学びの大きなイベントだったので、開催側の視点からブログ記事を残しておきたい。

内容のまとめはこちらを。

http://devloveblog.wordpress.com/2012/03/04/brest_festa/

開催のきっかけ

1月21日に、友人らと美術館巡りをした。その時のメンバーがたまたま「DevLOVE」と「hcdvalue」だったのだけれども、その感想戦の場で中華を食べながら冗談でDevLOVEとhcdvalueのどっちを取るんだ!的な話になった。

知ってる人は知っているのだけれど、私はこの2つのコミュニティの裏方・企画みたいなところにヒョイヒョイ顔を出していて、プライベートの時間のほとんどをコミュニティ活動に費やしていたりする。まぁ1つのコミュニティの裏方でも結構アレなので、2つのコミュニティをやってるのはとてもアレで、まぁ時間のマネジメントがグダグダになっているのは否めない。

そこで、この2つのコミュニティを結びつけるイベントを何かやりましょう、という話になった。吸収合併するぞと脅されたり、踏み絵を踏まされそうになったりした話は割愛する。


どう結びつけるか

そもそもDeveloperが集まるコミュニティの「DevLOVE」とDesignの中でもHCD(人間中心デザイン)に興味を持った人が集まるコミュニティの「hcdvalue」をどうつなげるか。これはこの1年の活動で色々考えていたこともあり、「アイデア発想」という形で繋げたいなぁと考えた。

DevLOVEもhcdvalueも「現場」というコンテキスト(文脈)をコンセプトに持つコミュニティだ。誰かのありがたい講演を聞いただけ、完全に設計されたWSを体験するだけでは、簡単に現場には持ち込めない。そこでもがくために、コミュニティで色々やっているように思う。それは失敗してもいい場としてのWSだったり、何か新しい手法を学び、それについてあれこれメンバーと議論することでもある。(議論する場はダイアログだったり飲み会の場だったりする)

現場でどう活かせるか、と考えた時に必要なもの、足りないものはたくさんある。たくさんあるんだけど、それは各人がアイデアを出して、一歩一歩解決していくしかないと思う。だから、アイデアを発想することが、「現場」への一番への還元になることだと思った。

ここで言うアイデアは多岐に渡る。プロジェクトの中のブレイクスルーだったり、現場改善のアイデアかもしれない。お客に提案する際のキーメッセージだったり、デザインの改善アイデアだったりするかもしれない。どんな小さな改善も、やっぱり「アイデア」なんだと思う。言い換えれば創造性とかになるんだけど、そういったアイデアを発想することが、DeveloperやDesignerをつなげる点として有効じゃないかと考えた。


石井力重さんをお呼びすること

そんな訳で、二つ返事で2つのコミュニティをつなげる役を買って出たのだけど、ちょっと考えて、講師を石井力重さんにお願いすることにした。石井さんとは、XB飲み会(クロスビー)でご一緒した後、宮城繋がり&同大学卒繋がりということでtwitterやfacebookでコミュニケーションさせていただいていた。アイデア発想をベースに起業されており、アイデア発想のツールを開発したり、全国を跳び回って講師やWSファシリテーターとしてご活躍している方だ。


テーマを設定する

テーマは私の想いから事前打ち合わせでブレストし(ここも石井さんのテクニックを色々垣間見た)、「学びの効果を実感するには、どうしたらよいか?」という形にさせてもらった。これをテーマに、システムや手法など、色々とブレインストーミングしてもらう。

これはIT勉強会コミュニティの一つとして大きくなってきたDevLOVEと、社会人向け教育プログラムを基礎にコミュニティ化したhcdvalueで、共通の大きなテーマだと勝手に思っていたものだった。

DevLOVEは「野戦病院」というメタファを使っていた時期があった。現場での戦いに疲れたDeveloperがコミュニティで英気を養い、いつかまた現場へと帰っていく。でも、本当にコミュニティは今のままでいいのだろうかという不安が必ずつきまとっていたりする。運営で飲み会をしていると、「みんな本当に現場で役立っているんだろうか」という話が出ることが多くなっていた。「現場」のハブとして機能させたいのに、その循環がうまくいっているのか分からない。学びの場を提供しているものの、その効果が実感できない。そんな不安もあり、どうやったら学びの効果を実感できるのか、一度真剣に考えたかった。

hcdvalueはまだ発足1年の小さなコミュニティだ。外部向けの勉強会というのは開催しておらず、内部向けのワークショップを中心にやっている。ちょっと変わっているのは外部向けに学会発表をしていることかと思う。こういった活動は、その基礎になる産技大「人間中心デザイン」での学びが大きくて、しかもそこでの講師の方々がそれぞれセミナーやWSを開催していることが大きいかな、と思う。でも、本当にHCD(というプロセス)を現場に組み込むなら、学びの効果を実感してフィードバックし、その効果を他の人にも実感してもらうことが大事になるはず。だから真剣に考えたかった。


開催のふりかえり

とりあえずみえている範囲ではとても満足度が高くてホッとした。石井さんのファシリテーションと発想技法、その開設が素晴らしいことが大きいと思うのだけれども。では何が良かったのだろうか。

一つは「明日使える」ヒントがたくさんあったこと。これはDevLOVEのコンセプトに近いものがあって、遠い将来使えるコトじゃなく、明日の現場で使おうと思えば使えるヒントがたくさんあった。たくさんあり過ぎて取りこぼしてると思うのだけど、webにあがっている資料を読めば、きっともう一回拾えると思う。

二つ目。ブレストの技法がこんなに整えられているのか、といったものが単に把握できたこと。「創造工学」という分野には、とてもたくさんの知見があるんだなーと単純にびっくりした。IDEOとかで知ったつもりではいたけど、全然分かっていなかったなぁという感じ。とても心がホクホクしました。

三つ目。初対面でもちゃんとブレストができたこと。グループワークではアイスブレイク的に自己紹介、なんてのも多いのだけど、それを飛ばして、ブレストから入った。それでもちゃんとできたのは、参加者のモチベーションが高かったのか、石井さんのファシリテーションの妙なのかは分からないけど、とっても勉強になった。

四つ目。DevLOVEとhcdvalueが交流できたこと。裏テーマがDeveloperとDesignerのミートアップだったのだけれども、それがちゃんとできたかは不安。だけれども、懇親会でちゃんと混ざって会話が進んでいたりしたので、よかったなぁと思う。(まぁhcdvalueはちょっと固まりやすい傾向はあることが分かったけどw)

五つ目。「学び」について109個もアイデアが出たこと。これは単純にすごいなぁと思う。32人で3個以上のアイデアが出て、109個ですしおすし。「ハイライト法」ということで☆による評価はついているけれども、基本どのアイデアでも☆がついている状態で、それなりのアイデアが出ていたように思った。

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